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メジロ劇場 [2011]

この時季、家の境木の枝にくくりつけたミカンを食べに
頻繁にメジロがやってくる。

父によると、常連は番が2組と単独の2羽。
識別は大きさとのことだから、本当のところは
よくわからないけれど、常連はちょっとだけ太り気味。

ミカンの周辺の枝にはヒヨドリ除けに網がかけられ
メジロが入れるくらいの隙間があけてある。

網の中でミカンをつついたり、少し休んでみたり
オスメス場所を入れ替わって違うミカンを食べたりと
悠々自適に過ごすメジロたちは実にかわいらしい。

単独のメジロは、決して他のメジロと一緒に食事をしない、
というか、、他のメジロが少しでも網に近づくと
威嚇して網に入れようとしない。
一羽で上下のミカンを行き来して休むことなく食べ
お腹いっぱいになると飛んでゆく。

威嚇されたメジロはといえば、
網の近くの枝から枝に飛び移りながら大人しく順番待ち。
前のお客さんが去ると、急いで網の中に入って
ここぞとばかりミカンをついばむ.
彼等はとてもお行儀がよい。


そんな楽しそうなメジロたちを、ヒヨドリが放っておくはずもなく、
網の中のメジロを発見すると、ものすごい勢いで飛んでくる。

メジロはヒヨドリが視界に入ると食事を中断し網の外に出て
ヒヨドリから少し離れた枝で待機する。

どうにも中に入れずにヒヨドリが諦めて飛び去ると
番のメジロはどこからともなく戻ってきて
また食事の続きにとりかかる。


今日は、ヒヨドリを避けて網の外で待機中の番が
ぴったり身体を寄せ合ってひとつの枝に止まり
小さなお尻をふたつ並べたまま、なかなか動こうとしない。

おそらくヒヨドリは網から離れたものの
メジロの視界のどこかにいるのだろう。
それにしても仲良しだなぁ。
とても微笑ましい光景だ。

日々繰り返される境木の中の小さなメジロ劇場。
主役はメジロたち、悪役はヒヨドリで、助っ人は父だろうか。
時々お食事中のメジロに近づこうとするヒヨドリを
ワッとかいって威嚇している。。
いつからか楽しい我が家の冬の風物詩。

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このメジロは番のどちらかで
食事の途中で外に出てきたが、
網の中のメジロが入口付近で小さく鳴くと
またミカンのところへ戻って行った。


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 [2011]


梅が咲いたから散歩でもどう?

姉からのお誘いで今日は鎌倉の
瑞泉寺に出かけた。
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緑に囲まれた階段を上り、入口を通り抜けると
そこには見事な枝ぶりの梅の木が立ち並ぶ。

咲き始めたばかりの梅の花の可憐なこと。
まん丸の蕾は色を濃くし、やや寒空の下
咲く機会をうかがっている。

おりしも空はうす曇り。
繊細な花の色が一層美しくみえた。

梅の木の根元には水仙が咲き
風がほのかな香りを運ぶ。

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庭園から見降ろす眺めがまた美しかった。
山に囲まれた鎌倉独特の眺め。

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梅園の手前には長椅子が並び
座ってじっくりと梅を眺めることができる。

景色を楽しみながらのんびりおしゃべりをしていると
梅の木のはるか上空を小鳥の群れが飛び去った。
おそらくメジロだったと思う。
大勢でどちらへお出かけか。。


到来物の黒どら焼とやらを頂く。
黒砂糖の風味がとても美味しくて
嬉しそうに食べていると、何やら熱い視線が。。

少し離れたところでお人形のようにかわいい
小さな金髪の女の子が我々に手を振っている。

なんてかわいいのだろ。
我々もどら焼を片手に手を振り返す。

どうやら女の子の目はどら焼にくぎ付けだ。
ママが手を引いても動こうとしない。

”さっきバナナ食べたでしょ”
ママが少し恥ずかしそうにささやくと
女の子は仕方なく歩きだす。

女の子はいつまでも手を振っていた。
視線は最後までどら焼を捉えつつ。。

なんか悪いことしちゃったなぁ~~



来る時に上ってきた緩やかな階段は
下りの眺めもまた素敵だ。

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梅が満開になる頃はさぞ素晴らしいだろうけど
狭い園内は人で埋め尽くされる。
ちょうどいい頃に出かけたかもしれない。



駅までぶらぶらと歩いていると
小さいけど素敵なお店をあちこちで見かけた。

石の店、藍染めの店、自転車屋さん、
お菓子屋さんにパン屋さん、ソーセージ屋さん、
素敵なコーヒーカップの店、和風小物屋さんetc..
いつきても飽きることのない素敵な街。

夕方、江ノ電に乗って帰路につくと
海はやさしい空の紅色を映して
静か静かに揺れていた。



今日はなんとものどかな1日だった。
帰宅すると母はなかなかご機嫌で
私はどうやら母の姉さんらしい。

ちょうど父と母が食後のコーヒーを飲むところだったが
ねえさんも一緒にコーヒーどう?
と、うんとやさしく誘われた。


母さま。
今夜もよく眠れますように。


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2011-01-29 [2011]

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今日は寒いと聞いていたけれど
陽あたり良好のこの部屋はポカポカだ。

毎年暮れに父が買ってきてくれるシクラメンが
ガラス越しの日差しを浴びてご機嫌に咲いている。

最初は天に向かってまっすぐに咲いていた花も
今はずいぶんと野放図な様子だけれど
それはそれで華やか。

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花といえば、、
誕生日に届いた花が長々と咲き続けている。
我が家の玄関は気温が低く朝日があたるから
花にはもってこいの場所なのだろう。
扉を開けるとかわいいお花がお出迎えなんて
ちょっと嬉しい。

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母が松川先生と約束した3つのこと。

*毎日散歩をすること。
*毎日寝る前にカレンダー日記をつけること。
*毎日薬を飲むこと。

このたった3つのことをこなすのが
今の母には難しい。


今日も父と母が買い物がてら散歩にでかけた。
ガランとしたダイニングキッチンで
少しボンヤリと過ごす。

母と父が座るソファーに腰掛けてみると
なかなかいい眺め。

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キッチンにもやさしい木漏れ日が差し込んで
梅の木のシルエットと竹の緑がぼんやり見える。

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お正月に飾った絵皿がまだ飾られているのだな。
父が菜の花会というコンペでもらってきた菜の花は
母のお気に入りだ。

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先日、帰宅するなり母のご機嫌が猛烈に悪く
さすがの父も困り果てていた。
こんな日があと何年続くのか、、と
珍しく父が弱音をはく。


入浴後、気になって居間に行ってみると
お風呂上りの母がかわいいパジャマをきて
ぼんやり1人でソファーに座っていた。

オヤスミ~と声をかけてみると
母が悲しそうな顔で言う。

”ごめんね、本当にごめんね。。”



あぁ、、母よ。。

何を思い出して何を詫びているのかも
私にはもうわからないのだけど
悲しいのだろうと思うと泣けてくるのだ。

ヨリちゃん。
明日もがんばろ。
ヨリちゃんは一人ではないのだよ。。


その翌日。。
母は猛烈にご機嫌だった。
何やらとても嬉しかった。

そんな日が一日でも多くありますように。。(願)


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お正月 [2011]

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本年もよろしくお願いします。


PCに向かう時間がなかったり、その元気がなかったり、、
それなりに更新はがんばったものの、皆さんのところへ
伺う余裕がなかった昨年。。

それでもこちらのblogを訪ねてくださったり
nice!やコメントを残してくださる皆さんには
いつも頭が下がります。
本当にどうもありがとうございます。

この先色々な変化が待ち受けていて
blogを継続できるのか不安ではあるものの

できればマイペースに続けていきたいと思っております。。
よろしければ、これからもお付き合いくださいまし。


どうなることかと思った大掃除やお正月の準備も
父の大いなる協力のおかげで無事終了し、
いつもながらのお正月が迎えられたことが
なによりも嬉しい。

大掃除は父が早くから取りかかったため
大晦日前にはメドがたち、
問題はお正月料理の準備だった。

母は12月の中頃からお正月料理のことで頭がいっぱい。
何を作り、そのために何が必要で、買い物はいつ、、
という会話が毎日のように繰り返された。

買い物を済ませ、いざ料理に取りかかると
作り方を忘れてしまった母は途方に暮れた。


腰が痛いといいながら、ただ座ってはいられずに
何かやることは無いかと一緒に台所に立つ。
母はいくつになっても働き者だ。
おかげで無事お正月の料理も出来上がった。



おせち料理は重箱に詰めたものをいうそうだが、
最近は、重箱の代わりに 大きめな曲げわっぱを使う。

紅白かまぼこ、卵焼き、昆布巻き、田作り、黒豆、
きんとん、きんぴらごぼうなどを、朱塗りの漆器に少しずつ盛ると
不思議とお正月料理らしくなる。

なますと酢蓮は、高台の高い有田焼の器に、
お煮しめは丹波立杭の深めの大皿に盛り付けた。

今年の酢蓮が大きいのは、父がレンコンを切ったからだ。
たまには大きな酢蓮もいいかも。。
ひとつ食べれば大満足な大きさ。

料理を取り分ける銘々皿も、普段使うことのない器を
ここぞとばかりにテーブルに並べた。

お雑煮用の蓋つきのお椀を 1年ぶりに箱から取り出す。
お雑煮用だけあって、やや大き目でちょっと雅なお椀に
今年もお餅と八つ頭をたくさんよそい、熱い内に鰹節をかけた。

徳利とお猪口は、大皿と同じ焼きの丹波立杭。
祝い箸を各々の席に置き、取り箸も忘れずに。。

ようやく準備の整ったテーブルを眺めると
ちょっとウキウキする。

母が長いことかけて少しずつ集めた器たちが
今年も華やかに料理を惹き立てて
なんとも眺めのいいお正月の食卓。。



こうしたお正月のならわしは、母方の祖父の影響だ。
祖父は西陣で帯を織ったりデザインをしていたらしい。

祖父の帯の商売が立ち行かなくなり、皆で大阪へ移ったも後も、
祖母がいない中、祖父は子供たちに手伝わせて
お正月料理を丁寧に作り、京都の時と同様に
きちんとお正月を祝っていたのだそうだ。

母が言うには
大阪は食い道楽、京都は着道楽、らしい。

京都では、お正月などは豪華に祝うのだが
普段の生活は質素倹約。

朝ご飯の時など、のれんをくぐると、使用人たちが
おかゆをすする音がスゴイとか。
”おかゆ隠しの長のれん”
とはよく言ったものだ。

若い頃はひたすらわずらわしかったお正月の準備だが
母にならってこの先も大切にしていこうと思う。
母が受け継いだちょっと雅なお正月のならわし。
私で途絶えるのはとても残念だが、、

それよりも何よりも、、
どうか来年も母と一緒に台所に立てますように!
老いゆく母を見つめながらそう願わずにはいられない。


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